コラム

在留資格取消制度とは?

2024年5月24日 外国人ビザ

在留資格取消制度について

在留資格取消制度とは特定の事由が生じたときに、在留期間の途中であっても在留資格が取される制度です。近年件数が非常に増えてきています。

在留資格取消事由

取消事由具体例
上陸拒否事由があるのも関わらず、偽りその他不正の手段により上陸許可を受けた過去に退去強制され上陸拒否期間中にある者が、その事実を隠し、偽名を使って上陸許可を受けた
日本で行おうする活動について、偽りその他不正の手段によって上陸許可を受けた専ら働く目的を有し、日本で教育を受ける予定のないものが、「留学」の在留資格で上陸許可を受けた
1号、2号以外の場合で、虚偽の書類を提出して上陸許可を受けた外国人を呼び寄せようとした会社が、虚偽の書類を提出して上陸許可を受けた
偽りその他不正の手段によって、在留特別許可を受けた日本人との結婚を理由に在留特別許可を受けたが、結婚の実態がない
活動系在留資格を有する者が、当該活動を行っておらず、かつ他の活動を行いまたは行おうとしていること(正当な理由がある場合を除く)「留学」の在留資格を有する外国人が除籍になった後、仕事をして在留している
活動系在留資格を有する者が、当該活動を3か月以上行わない(正当な理由がる場合を除く)「留学」の在留資格を有する外国人が、学校を除籍になり、他の学校に入学もせず、その見込みもない
「日本人の配偶者等」又は「永住者の配偶者等」として在留資格を有する者が、配偶者の身分としての活動を6か月以上行わない(正当な理由がある場合を除く)配偶者と離婚して6か月以上が経過し、それについて理由がない
8~10中長期在留者となった外国人90日以内に住居地の届け出をしていない、届け出た住居地から退去したにもかかわらず、90日以内に届け出をしていない、虚偽の住所を届け出た

7号について
・「配偶者の身分を有する者としての活動」を行わない場合には、配偶者との離婚、死別の他、婚姻の実態が存在しないことも含まれます
・正当な理由には例えば、①配偶者からの暴力を理由に一時的に避難又は保護を必要としている場合、②子供の教育等やむを得ない事情により別居しているが、生計を一にしている場合、③本国の親族の看病等で、再入国許可を得て出国している場合、④離婚調停又は離婚訴訟中の場合などです
・7号の取消事由に該当する場合でも申請により定住者等への在留資格変更が可能な場合があります

在留資格取消の手続き

①意見聴取通知書の送達
法務大臣が在留資格の取り消しを行おうとする場合は、担当入国審査官に当該外国人の意見聴取をさせなければなりません。その意見聴取に先立って意見聴取通知書が外国人に送達されます。
意見聴取通知書を受け取った外国人は、期日までに出頭する代理人を選任することができ、また利害関係に意を手続きに参加させるができます

②意見聴取の実施
意見聴取通知書を受け取った外国人は期日に出頭しなければなりません。正当な理由なく応じないときは、意見聴取なしに在留資格が取り消される可能性があります。
当該外国人は意見聴取の際に質問したり証拠を提出したりして、取消事由が存在しないことを主張できます

③在留資格が取り消される場合、法務大臣から在留資格取消通知書が送達されます。

在留資格取消の判断

①在留資格を取り消すかどうかの判断は法務大臣に裁量があり、取消原因となる事実が判明しても取消手続きが開始されない場合があります

②在留資格が取り消された場合には、一般的に30日以内の出国のための準備期間が指定されます。指定された期間内に出国しなければ退去強制事由に該当します。

在留資格の取消し(入管HP)

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