日本で就労している外国人の方の多くは、「技術・人文知識・国際業務」などの在留資格で滞在しています。
通常、永住許可の申請を行うには 10年以上の在留実績 が必要ですが、実は 「高度専門職ポイント制度」 を活用すれば、わずか1年または3年 で永住申請を行うことが可能になります。
今回は、この「高度専門職ポイント制度」を利用した永住申請の条件やメリットについて、わかりやすく解説します。

高度専門職ポイント制度とは?
「高度専門職ポイント制度」は、出入国管理及び難民認定法に基づく優遇制度で、
外国人の学歴・職歴・年収・日本語能力などをポイント化して評価する仕組みです。
高い能力を持つ外国人を積極的に受け入れるために設けられた制度で、
合計が一定の点数に達すると「高度人材」として特別な在留優遇を受けることができます。
主な評価項目は以下のとおりです。
項目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
学歴 | 修士号・博士号など | 修士号:20点、博士号:30点 |
職歴 | 専門分野での経験 | 3年以上:10点 |
年収 | 年収額に応じて加点 | 500万円:10点、700万円:25点 |
日本語能力 | JLPT・BJTなど | JLPT N1:15点、N2:10点 |
年齢 | 若いほど加点 | 30歳未満:15点、35歳未満:10点 |
永住申請ができる条件(70点・80点の基準)
高度専門職ポイント計算の結果により、永住申請ができるまでの期間が大きく短縮されます。
ポイント | 永住申請までの期間 | 条件 |
---|---|---|
70点以上 | 3年以上継続して在留 | 高度専門職省令に基づき70点以上を維持していること |
80点以上 | 1年以上継続して在留 | 同省令に基づき80点以上を維持していること |
つまり、70点で3年、80点で1年 継続して日本に在留していれば、永住許可の申請が可能となります。
この制度を活用することで、通常の10年という期間を大幅に短縮することができます。
具体例:技術・人文知識・国際業務で働く方の場合
たとえば、日本の大学を卒業して「技術・人文知識・国際業務」で勤務している外国人の方が次の条件を満たす場合を考えてみましょう。
- 年収:500万円
- 学歴:大学卒業(学士号)
- 職歴:3年以上
- 日本語能力:JLPT N1合格
- 年齢:33歳
この場合のポイントは以下のとおりです。
項目 | 点数 |
---|---|
学歴 | 20点 |
職歴 | 5点 |
年収 | 15点 |
日本語能力 | 10点 |
年齢 | 10点 |
合計 | 70点 |
したがって、3年間継続して在留していれば永住申請が可能です。
さらに年収が700万円以上となれば年収ポイントが25点に上がり、80点を超えるため、
わずか1年の在留で永住申請ができることにな
永住許可を目指す際の注意点
高度専門職ポイントでの永住申請には、次のような実務上の要件も確認されます。
- 過去1年または3年間、在留資格を切れ目なく継続していること
- 日本国内での安定した収入・納税実績があること
- 健康保険・年金に継続加入していること
- 素行が善良であること(交通違反・刑罰歴などがないこと)
特に税金や社会保険の未納は、永住審査で大きなマイナス要因となります。
日頃からの管理が重要です。
専門家に相談するメリット
高度専門職ポイントの計算は、見た目よりも複雑です。
たとえば「どの大学が評価対象か」「専門分野が一致しているか」「扶養家族加点の有無」など、細かい条件で結果が変わります。
専門の行政書士に相談すれば、
- 現在のポイントの正確な判定
- 申請書類の整備
- 永住申請に向けたスケジュール設計
などをトータルにサポートしてもらうことができます。
まとめ
ポイント | 永住申請までの期間 |
---|---|
70点以上 | 3年 |
80点以上 | 1年 |
高度専門職ポイント制度を上手に活用すれば、10年必要だった永住許可が、最短1年に短縮可能です。
日本での長期的なキャリア形成や安定した生活を目指す方にとって、大きなチャンスとなる制度です。
📌 永住許可申請のご相談は行政書士へ
「自分は70点以上あるのか?」「1年で申請できるか?」など、判断が難しい場合は、
実績豊富な行政書士が一人ひとりの状況に合わせて丁寧にアドバイスいたします。
まずはお気軽にご相談ください。
永住許可に関するガイドライン(出入国在留管理庁)
