外国に書類を出すときの「アポスティーユ」とは?取得の流れを行政書士が解説します
海外での結婚、ビザ申請、会社設立、銀行口座の開設や解約などで、「日本の書類にアポスティーユを付けて提出してください」と言われることがあります。この記事では、アポスティーユの仕組みと、書類の種類ごとの取得方法をわかりやすくご説明します。
アポスティーユとは
アポスティーユ(Apostille)は、日本の公文書が本物であることを外務省が証明するものです。「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」に基づく証明で、条約に加盟している国に書類を出す場合は、駐日大使館での領事認証を受けなくてもそのまま使えます。
証明書は1枚の別紙で、書類にホッチキスで留められ、割印が押されて戻ってきます。ホッチキスを外すと無効になるおそれがあるので、絶対に外さないでください。
なお、アポスティーユが証明するのは、書類の署名や公印が本物であることだけです。書類に書かれた内容が正しいことまで証明するものではありません。
条約に加盟していない国に出す場合は、外務省の「公印確認」を受けたうえで、その国の駐日大使館で「領事認証」を取る必要があります。
まず確認:その書類は「公文書」か「私文書」か
取得方法は、書類が公文書か私文書かで大きく変わります。
- 公文書:国や市区町村などが発行した書類。戸籍謄本、住民票、登記事項証明書(登記簿謄本)、犯罪経歴証明書など
- 私文書:個人や会社が作成した書類。定款、取締役会議事録、委任状、在職証明書、大学の卒業証明書、パスポートのコピー、公文書の翻訳文など
大学の証明書は、国立大学でも原則として私文書と同じ手続になります。また、公文書を翻訳したものは私文書になる点にもご注意ください。
公文書の場合:外務省に直接申請
戸籍謄本や住民票、登記事項証明書などの公文書は、外務省に直接申請すればアポスティーユが付きます。外務省の手数料は無料です。
- 発行日から3か月以内の原本が必要です。コピーには付きません。
- 発行日、発行機関名、公印が入っていることが条件です。
- 郵送で申請した場合、手元に戻るまで1〜2週間ほどかかります。
私文書の場合:公証役場を経由します
私文書には、外務省は直接アポスティーユを付けられません。次の3段階を踏む必要があります。
- 公証役場:公証人が、書類の署名押印が本人のものであることを認証します。
- 法務局:法務局長が、公証人の印鑑が本物であることを証明します。
- 外務省:法務局長の印が本物であることを証明し、アポスティーユを付けます。
定款のコピーや卒業証明書のように、書類自体に本人の署名がない場合は、「原本と相違ありません」などと記した宣言書を作り、その署名に認証を受けます。一方、在職証明書のように発行者の署名押印がある書類は、宣言書なしで発行者自身が認証を受けます。そのため、会社が発行した書類は、会社の委任状・印鑑証明書・登記事項証明書を添えて手続します。
「ワンストップサービス」と千葉県での注意点
東京都、神奈川県、大阪府など一部の地域の公証役場では、公証人の認証からアポスティーユまでを窓口で一括して取得できます。これをワンストップサービスといいます。
千葉県の公証役場で一括して取れるのは、公証人の認証と法務局長の証明までです。その後に外務省へアポスティーユを申請する必要があるため、お急ぎの場合は都内のワンストップ対応の公証役場を利用すると早く取得できます。
翻訳文にもアポスティーユが必要な場合
アポスティーユが付くのは日本語の原本だけです。提出先が翻訳文にも証明を求める場合は、翻訳文を私文書として別に手続します。
翻訳した人が「原文を正確に翻訳したものです」という宣言書に署名し、翻訳文と原文のコピーを綴じて公証人の認証を受けたうえで、アポスティーユまで進めます。つまり、原本と翻訳文の2本立てで手続することになります。 提出先によっては、現地での翻訳を指定されたり、原本と翻訳文を一体で認証するよう求められたりすることがあります。事前の確認が大切です。
犯罪経歴証明書は「封を開けない」
犯罪経歴証明書(無犯罪証明書)は、都道府県警察本部から封筒に封をした状態で交付されます。開封すると無効になります。
アポスティーユを申請するときも、封筒のまま外務省に提出します。外務省が開封して中の証明書にアポスティーユを付け、外務省の印で封をし直して返してくれます。戻ってきた後も開けずに、そのまま提出先へ出してください。
犯罪経歴証明書の申請は指紋の採取があるため、ご本人が警察本部に出向く必要があります。
提出先の指示書に出てくる英語の意味
海外の提出先からの指示は英語で書かれていることが多く、用語によって必要な手続が変わります。
| 用語 | 意味 |
| apostilled | アポスティーユ付き |
| legalized | 領事認証付き(条約非加盟国向け) |
| notarized | 公証人の認証を受けたもの |
| certified translation | 翻訳者が正確性を証明した翻訳 |
| notarized translation | 翻訳者の証明に公証人の認証を付けた翻訳 |
| certified true copy | 原本の正確な写しであると証明されたコピー |
「certified」は翻訳者自身の証明、「notarized」は公証人の証明、「apostilled」は国(外務省)の証明です。どこまで求められているかで、手続の重さが大きく変わります。ご依頼の際は、提出先からの指示書をぜひお見せください。
費用の目安(実費)
- 外務省のアポスティーユ:無料
- 公証人の認証(私文書):日本語の文書 1通6,500円、外国語の文書 1通12,500円(2025年10月改定後)
- ワンストップサービスで法務局長の証明やアポスティーユを付けても、追加の手数料はかかりません。
- このほか、戸籍謄本などの取得費用や郵送費がかかります。
あらかつ行政書士事務所のサポート
アポスティーユの取得は、書類の種類や提出先の要件によって手続が大きく変わり、平日に公証役場や外務省を回る必要もあります。当事務所では、次の内容をまとめてお引き受けします。
- 提出先の指示書の確認と、必要な手続の判断
- 宣言書・委任状などの書類作成
- 公証役場・法務局・外務省への申請代行
- 翻訳文の作成(言語により別途翻訳費がかかる場合があります)
報酬額
- 公文書のアポスティーユ取得:16,500円(税込)
- 私文書のアポスティーユ取得:38,500円(税込)
- 公証人手数料、証明書の取得費、郵送費などの実費は別途いただきます。
「この書類は公文書?私文書?」「翻訳にもアポスティーユが必要?」といった段階から、お気軽にご相談ください。
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