離婚を禁止されている国の外国人が離婚をした場合、日本人と再婚はできるのでしょうか。今回は次のケースに限って説明します
A男(日本人) B子(Z国外国人、Z国は離婚を認めない) C男(B子の元配偶者)
B子はC男と日本で結婚した後日本で離婚した。そしてA男と結婚したいと思っているが、結婚できるでしょうか。Z国は離婚ができない国です
日本で結婚を有効に成立させるには、当然に結婚の要件を備えていることが必要です。B子はC男と離婚しているので再婚に問題がないように見えますが、Z国では離婚が禁止されているので、B子の再婚能力(再婚できるかどうか)が問題になってきます。外国人の結婚において適用される法律(通則法24条)には、結婚の要件は当該外国人の本国法(このケースではZ国法)によるとなっており、これに基づくとB子は独身でなく、再婚することができないように思われます。
つまりB子とC男の離婚は成立しているかどうかがポイントであり、日本ではどのように考えられるのでしょうか
あ
ケース1 B子の本国法(Z国法)によるという立場をとれば、日本でなされた離婚が有効か無効かの判断はZ国法によることになります。そうするとZ国法上離婚は無効であり、C男との結婚は継続中と判断され、Z国法上で離婚が承認されない限り再婚できないという結論になります
あ
ケース2 離婚の手続きが取られた国の法律(日本国法)によるという立場をとれば、通則法27条が適用され離婚は有効と認められ、我が国で再婚できるということになります
あ
では、上記ケース1とケース2ではどちらが適用されるのでしょうか。いろいろな説はあるようですが、次の様な判断が有力です
日本国の立場としては、日本国で裁判離婚があったり、協議離婚がされていれば、当該外国人の本国法の離婚禁止の規定にかかわらず、再婚能力(再婚できる)があるとみなすのが当然
あ
結論
本事例では日本国内においては、A男とB子は再婚が可能ということになります。ただ注意しなければならないのは、これはあくまで日本国内において効力があるということです。これをもって、Z国でもA男とB子の結婚は有効ということにはならないのでお間違いなく