離婚の準拠法(適用される法律)
日本人同士のカップルが離婚する時は日本法が適用されるのは想像できますが、外国人と日本人のカップルが離婚する時はどうなるのでしょう?
こういった場合も通則法という法律に定義されています。
日本人と外国人に関する問題は通則法という法律で解決します
通則法第27条
離婚に適用する法は、第一順位共通本国法、第二順位共通常居所地法、第三順位密接関連法という順番で定められています。
その後に「ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は日本法による」との但し書きがあります。
したがって、当該日本人が日本に常居所を有する日本人であるときは、日本法によって離婚すればよいです。
日本に住んでいるときは日本法で処理できます
具体的適用
日本人が我が国に常居所を有するとは、住民登録があれば十分とされています。
また、日本人配偶者が外国に住んでいる場合でも、一時滞在として外国に居住していて、住民票が消除されていないときは、依然として日本に常居所を有する者として取り扱うことができます。
次に、日本人配偶者が外国に滞在して住民票が消除されていても、永住目的であれば1年、それ以外であれば5年の間であれば、日本に常居所があるものとして戸籍事務を取り扱います。
離婚の方法
離婚の手続きに関しては通則法34条に基づき、日本方式で行うことができます
協議離婚か裁判離婚
協議離婚
外国人配偶者と日本人配偶者が離婚の届出に署名し、日本人配偶者の本籍地又は所在地の市区町村に提出します
裁判離婚
外国人配偶者が、協議離婚に合意しないときは裁判離婚になります。日本では調停前置主義が採られており、まずは調停の申し立てをする必要があります。
外国人配偶者が外国に居住しているときは、調停をすることが事実上不可能ですから、直接家庭裁判所に離婚の訴えを提起することになります。
もっとも、その前提として、わが国が国際的裁判管轄を有することが必要ですが、「当該身分関係の当事者が最後の共通の住所を日本国内に有していたとき等は、わが国が国際的裁判管轄権有する」となってますので、当該夫婦の最後の共通の住所が日本の場合は、日本で裁判離婚できます。
子の親権・監護権の帰属
外国人と離婚した場合、夫婦間の未成年の子の親権・監護権の帰属・分配の問題は、いずれの国の法によるのでしょうか。
これも通則法32条に定められており、親子間の法律関係の準拠法は、子の本国法が父又は母の本国法と同一の時は子の本国法により、子の本国法が父又は母の本国法のいずれとも異なる時は子の常居所地法によります。
現実的には、子は日本国籍を取得しているでしょうから、親権・監護権については日本法によると考えてかまわないと思います。
仮に子供が日本国籍でなく、外国配偶者の国籍のみを取得しているときは、その外国配偶者の本国法で親権・監護権が決まります。
基本的に日本法で対応できます
