コラム

強制執行(養育費の差し押さえ)

2024年11月14日 その他

強制執行

調停・審判などの裁判所の手続公正証書(公証役場において公証人が作成する文書)で決められたとおりに養育費や婚姻費用を支払わない人(債務者)に対し,支払を強制する制度として,強制執行があります

強制執行の内容

強制執行には,いくつかの種類がありますが,養育費や婚姻費用の支払を受けるために主に用いられるのは債権執行です。
債権執行とは,支払を受けられていない人(債権者)の申立てに基づき,地方裁判所が債権差押命令を出し,債務者の持っている債権(給料や預貯金など)を差し押さえて,その中から強制的に支払を受けるための手続です。
これにより,差し押さえた債務者の給料/預貯金を,債務者の勤務先/金融機関(債権執行手続の中では「第三債務者」と呼ばれます。)から受け取ることができるようになります。

債権執行はどの裁判所に申し立てるのか

債権執行は,債務者の住所地を管轄区域(担当区域)とする地方裁判所(※家庭裁判所ではありません。)に申し立てます。

債権執行の申し立てはどのようにするのか

債権執行の申立ては,申立書などの必要書類を地方裁判所に提出(窓口での提出でも,郵送でも可)することによって行います。

養育費については、次のような特別な制度があります

⑴将来分の差し押さえ
差し押さえは通常の場合、支払期限を過ぎても支払われていなも分(未払分)についてのみできます。
しかし、養育費については、未払分があれば、その分だけに限らず、将来権利者に支払われる予定の、まだ支払期限が来てない分(将来分)についても差し押さえをすることができます

⑵利用できる債権の種類
定期的に支払期限がくる養育費について利用できます

⑶将来分について差し押さえることができる財産
義務者の給料や家賃収入など、義務者が継続的に支払いを受ける金銭です

⑷受け取ることができる金銭
養育費の未払分については、義務者の勤務先などから、差し押さえた範囲内でまとめて受け取ることができますが、将来分については、各支払期限が到来した後に受け取ることになります。

⑸受取方法
原則として、権利者自身が義務者の勤務先などに対して支払いを求める必要があります

⑹差し押さえの範囲
養育費については、特例として、給料の2分の1に相当する部分まで差し押さえることができます。
通常は、原則として4分の1に相当する部分までです

養育費の手続き(裁判所HP)

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