コラム

海外の特定技能外国人を雇用するのは大変?

更新日 2024年1月23日 外国人ビザ

特定技能で外国人を雇用したいという方は増えてきています。また、海外でいい人材を見つけたから日本に呼びたいという方も多くいらっしゃいます。
技能実習から特定技能への変更が多いですが、海外から特定技能人材を呼ぶ手続きはどのようなものがあるのでしょうか。最近、二か国間協議によって受入れのルールがどんどん変わってきています。注意して手続きを進める必要があります。
今回はフィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れを、出入国在留管理庁の資料を基に記述します。(国によって手続きは変わります)

フィリピンの特定技能外国人を呼ぶ手続き

【フィリピンから新たに受入れる場合/日本に在留する方を受入れる場合の共通の手続】


送出機関と人材募集・雇用に係る募集取決めを締結【フィリピン側の手続】
日本の受入機関が、フィリピン国籍の方をフィリピンから新たに特定技能外国人として受け入れるに当たって、フィリピンの制度上、フィリピン政府から認定を受けた現地の送出機関を通じて人材の紹介を受け、採用活動を行うことが求められるとともに、送出機関との間で人材の募集及び雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結が求められているとのことです。また、募集取決めは、日本の公証役場での公証を経たものを求めるとのことです。
在東京フィリピン共和国大使館又は在大阪フィリピン共和国総領事館の移住労働者事務所(以下「MWO」という。)への提出書類の準備・提出【フィリピン側の手続】
フィリピンの制度上、受入機関は、必要書類(労働条件等を記載した雇用契約書のひな形、上記1で作成した募集取決め、求人・求職票等)をMWOに郵送し、所定の審査を受け、雇用主(特定技能所属機関)としてDMW(旧POEA)に登録される必要があるとのことです。
MWOでの面接【フィリピン側の手続】
フィリピンの制度上、上記2の審査を経た後、受入機関の代表者の方又は委任された従業員の方は、MWOに赴き、労働担当官による英語での面接を受ける必要があるとのことです。なお、この面接は、コンサルティング業者(行政書士を含む)や登録支援機関の方が代わって受けることが認められていないとのことですので、御注意ください(面接に通訳を同席させることは妨げられていません)。
また、必要に応じて、MWOによる受入機関への実地調査が実施されるとのことです。
DMW(旧POEA)への登録【フィリピン側の手続】
フィリピンの制度上、上記2の審査及び上記3の面接の結果、受入機関が、MWOにより自国民の雇用主として適正であるとの判断がなされた場合、MWOから認証印が押印された提出書類一式及び推薦書(Recommendatory Memorandum)が受入機関宛てに郵送されることとなっているとのことです。
受入機関は、送出機関を通じてこれらの書類一式を本国のDMWに提出することによって、DMWにて雇用契約で定める予定である労働条件等の内容が確認され、受入機関が雇用主としてDMWに登録されるとともに、求人情報が登録されるとのことです。
DMWへの登録後、提出した雇用契約書のひな形にDMWの認証印が押印され、送出機関を通じて受入機関に対して返送されるとのことです(つまり、上記2~4の手続を終えると、MWO及びDMW両方の認証印が押印された雇用契約書のひな形等が受入機関の手元に返送されるとのことです)。
登録の結果、受入機関は、フィリピン国籍の方の採用活動に着手することが可能とされています。
雇用契約の締結
送出機関は、上記4で登録された求人情報を基に適当な人材を募集し、受入機関は、送出機関から人材の紹介を受けて特定技能に係る雇用契約を締結することとなります。
フィリピンから新たに受け入れる場合及び日本に在留する方を受け入れる場合の両方に共通する手続は以上となります。これ以降は、それぞれの場合によって手続の内容が異なります。
○ フィリピンから新たに受け入れる場合の手続 → 下記6~11へ
○ 日本に在留する方を受け入れる場合の手続 → 下記12へ

【フィリピンから新たに受け入れる場合の手続】

在留資格認定証明書の交付申請【日本側の手続】
受入機関は、地方出入国在留管理官署に対し、特定技能に係る在留資格認定証明書の交付申請を行ってください。同証明書が交付された後、雇用契約の相手方に対し、同証明書の原本を郵送してください。
査証発給申請【日本側の手続】
雇用契約の相手方で、特定技能外国人として来日予定のフィリピン国籍の方は、上記6で郵送した在留資格認定証明書を在フィリピン日本国大使館に提示の上、特定技能に係る査証発給申請を行うことになります。
出国前オリエンテーションの受講【フィリピン側の手続】
フィリピンの制度上、特定技能外国人として来日予定のフィリピン国籍の方は、本国の海外労働者福祉庁(OWWA:Overseas Workers Welfare Administration)が実施する出国前オリエンテーションを受講することが必要とされているとのことです。出国前オリエンテーションは、半日程度で終了するとのことです。
健康診断の受診【フィリピン側の手続】
フィリピンの制度上、特定技能外国人として来日予定のフィリピン国籍の方は、健康診断を受診する必要があるとのことです。健康診断は、半日程度で終了するとのことです。
なお、健康診断の受診申込は、送出機関を通じて行う必要があるとのことです。
10 海外雇用許可証(OEC:Overseas Employment Certificate)の発行申請【フィリピン側の手続】
フィリピンの制度上、OECは、フィリピン側の手続を完了したことを証明する文書とされており、特定技能外国人として来日を希望するフィリピン国籍の方は、上記7で査証を取得し、上記8の出国前オリエンテーションの受講及び上記9の健康診断の受診後、送出機関を通じ、OECの発行をDMWに申請することとされているとのことです。その上で、フィリピンを出国する際、出国審査において、取得したOECを提示することが必要とされているとのことです。なお、OECの発行申請時に、上記6で交付された在留資格認定証明書が有効期限内である必要があるとのことです。
11 特定技能外国人として入国・在留【日本側の手続】
上記の手続を行ったフィリピン国籍の方は、日本到着時の上陸審査の結果、上陸条件に適合していると認められれば、上陸が許可され、「特定技能」の在留資格が付与されます。

【日本に在留する方を受け入れる場合の手続】

12 在留資格変更許可申請【日本側の手続】
雇用契約の相手方であるフィリピン国籍の方が特定技能外国人として就労するためには、この方が地方出入国在留管理官署に対し、「特定技能」への在留資格変更許可申請を行う必要があります。
在留資格の変更が許可されれば、一連の手続は完了です。
※ 在留資格変更が許可された後、フィリピン国籍の方が「特定技能」の在留資格を保有したまま再入国許可(みなし再入国許可を含む。)制度を利用してフィリピンに一時帰国する場合、DMWにOECの発行を申請・取得し、フィリピンを出国する際、出国審査において、取得したOECを提示する必要があるとされているとのことです。

特定技能外国人を海外から呼ぶ体制はまだまだ十分とは言えません。また、制度もいろいろ整えられている途中とも言えます。これから重要な制度ですのでよく見ておく必要があります

出入国在留管理庁HP

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